裁判所事務官はきつい?法廷の裏側で働くリアルな日常 【みんなの社畜体験談 #239】

📝 この記事でわかること

  • この仕事の具体的な仕事内容と1日の流れ
  • 給料・勤務時間・休日の実情
  • 実際にきつかったこと
  • この仕事で良かったこと
  • 向いている人の特徴

今回は裁判所事務官の仕事を経験された方に体験談をいただきました。

実際に働いてみて感じたリアルな声をお届けします。これから裁判所事務官を目指す方、転職を考えている方の参考になれば幸いです。

雇用形態 公務員
勤務地 群馬県
勤務時間 8:30〜17:00
休日 完全週休2日(土日祝)
給料 年収400万円
必要資格 裁判所事務官採用試験合格
業種 裁判所
主な業務内容 民事・刑事事件の書記業務・法廷立会い・調書作成・窓口対応・事件記録の管理
性別 女性
年代 20代
目次

始めたきっかけ

法学部に通っていて、もともと弁護士を目指していたのですが、司法試験の壁が高すぎて断念。法律に関わる仕事を続けたいと思い、裁判所事務官の試験を受けました。「法曹にはなれなかったけど、法律の現場で働ける」という気持ちで入りました。試験に合格して、24歳で群馬県地方裁判所に配属。そこから裁判所の「裏方」としての生活が始まりました。

1日の仕事内容

朝8時30分に出勤して、まず担当事件のファイルを確認。裁判所事務官の仕事は部署によって大きく違いますが、私は民事部に所属していたので、主に民事訴訟の書記事務を担当していました。

午前中は法廷での口頭弁論に立ち会うことが多いです。裁判官の隣に座って、調書(法廷でのやりとりの公式記録)を作成します。原告と被告の主張、証拠の提出状況、裁判官の発言。これを正確に記録するのが書記官の仕事です(私は事務官なので、書記官の補助としてサポートしていました)。

午後は窓口対応と事務処理。訴状の受付、期日の通知、判決文の送達手続き。弁護士や当事者からの問い合わせ電話も頻繁にあります。書類のファイリング、事件記録の管理も重要な仕事。裁判記録は絶対に紛失が許されないので、管理は厳格です。

繁忙期は年度末と異動時期。事件の引き継ぎや記録の整理で残業が増えます。通常期は17時に退庁できることが多く、公務員としてはワークライフバランスが良い方だと思います。

この仕事できつかったこと

きつかったのは、事件の内容に触れてしまうことです。民事部でもDVや離婚、相続争いなど、人間の醜い部分がむき出しになる事件を毎日目にします。刑事部に一時期ヘルプで入ったときは、殺人事件の証拠写真を記録として保管する仕事があって、しばらく食欲がなくなりました。法廷で被害者が泣きながら証言しているのを、感情を殺して記録し続けるのは精神的に堪えます。

仕事の裁量が小さいのもストレスでした。裁判所は徹底的な前例主義で、マニュアル通りに事務処理を進めることが求められます。「もっとこうした方が効率的なのに」と思っても、規則が変わらない限り従来の方法を続けるしかない。やりがいを感じにくい単調な事務作業が続く日もあります。

裁判官との関係も気を遣います。裁判官は一人ひとりやり方が違って、「私はこの書式で調書を作ってほしい」「この順番で書類を整えて」と細かい指示がある。異動で担当裁判官が変わるたびに、新しいやり方に適応しなければいけないのは地味にきつかったです。

この仕事で良かったこと

法律の現場を間近で見られるのは、法学部出身者にとって最高の環境です。教科書で学んだ民事訴訟法や刑事訴訟法が、目の前で動いている。裁判官がどういうロジックで判断を下すのか、弁護士がどんな戦略で主張を組み立てるのか。法律の「生きた知識」が毎日吸収できます。

ワークライフバランスの良さは裁判所の大きなメリット。基本的に17時退庁で、持ち帰り仕事もない。土日祝は完全に休みで、有給休暇の取得率も高い。公務員の中でもホワイトな職場として知られているのは間違いありません。

裁判所書記官への昇任試験に合格すれば、より専門的な仕事に就けます。書記官は調書の作成や送達の権限を持つ裁判所固有の専門職で、やりがいもキャリアもグレードアップします。

この仕事を辞めた理由

5年間勤めた後に退職しました。裁判所の仕事自体は嫌いではなかったのですが、もっとダイナミックな環境で働きたいという気持ちが強くなって、民間の法律事務所のパラリーガルに転職しました。裁判所での経験は転職先でも大いに役立っていて、後悔はしていません。

この仕事が向いている人

正確な事務処理が得意で、コツコツ型の人に向いています。法律に興味がある人にはフィットしますが、華やかな仕事を求める人には合いません。安定志向で、ワークライフバランスを重視する人には理想的な職場。書記官を目指すなら、法律の勉強を続ける意欲がある人でないと昇任試験に受かりません。

この仕事に就きたい人へ一言

裁判所事務官の採用試験は、公務員試験の中でも倍率が高め(10倍前後)ですが、教養試験と専門試験の対策をしっかりやれば合格は狙えます。法学部でなくても受験可能です。

入職後は書記官任用試験に挑戦してください。合格すれば書記官としてのキャリアが開け、やりがいも待遇もアップします。裁判所での経験は法律事務所や企業法務への転職でも評価されるので、どの道を選んでも法律の知識は武器になります。

よくある質問(FAQ)

Q. 裁判所事務官と書記官の違いは?

A. 事務官は裁判所の一般事務職で、書記官は法廷の調書作成や送達など裁判手続きの核心に携わる専門職。事務官として入職後、書記官任用試験に合格すると書記官に昇任できます。

Q. 裁判所事務官の年収は?

A. 入職初年度は年収300万円台後半。5年目で400万円前後、10年目で500万円弱が目安です。書記官に昇任すると手当が加算されるため、さらに年収アップが見込めます。

まとめ

裁判所事務官は、法廷の裏方として正確な事務処理を求められる地味だけど奥深い仕事。事件の重い内容に触れる精神的負担やマニュアル主義の窮屈さはありますが、法律の現場で学べる環境とトップクラスのワークライフバランスは大きな魅力。書記官昇任を目指せば、専門性とやりがいがさらに広がります。

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社畜王の中の人

板前、運送、不動産、Webディレクターなど、複数の業界を渡り歩きながら転職を重ねてきた“現場型キャリア”。未経験分野への転職やキャリアチェンジを実際に経験してきたからこそ分かる、「通用するスキル」「転職で評価されるポイント」「失敗しない選び方」をリアルベースで発信しています。遠回りしてきたからこそ見えてきた、“再現性のある転職の考え方”を共有していきます。

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