特別養護老人ホームの介護職はきつい?重度介護の現実 【みんなの社畜体験談 #279】

📝 この記事でわかること

  • この仕事の具体的な仕事内容と1日の流れ
  • 給料・勤務時間・休日の実情
  • 実際にきつかったこと
  • この仕事で良かったこと
  • 向いている人の特徴

今回は特別養護老人ホームの介護職の仕事を経験された方に体験談をいただきました。

実際に働いてみて感じたリアルな声をお届けします。これから特別養護老人ホームの介護職を目指す方、転職を考えている方の参考になれば幸いです。

雇用形態 正社員
勤務地 和歌山県
勤務時間 シフト制(早番7:00〜16:00/日勤9:00〜18:00/遅番11:00〜20:00/夜勤16:30〜翌9:30)
休日 月9日(シフト制・年間休日107日)
給料 年収320万円
必要資格 介護福祉士(入社時は初任者研修でも可)
業種 社会福祉法人運営の特別養護老人ホーム
主な業務内容 入居者の身体介助(入浴・排泄・食事・移乗)・夜間巡回・レクリエーション・記録作成・看取り対応
性別 男性
年代 20代
目次

始めたきっかけ

高校卒業後、飲食店でフリーターをしていた21歳のとき、祖母が特養に入所したのがきっかけです。面会に行くたびに、介護スタッフが祖母に優しく接してくれているのを見て「自分もこういう仕事がしたい」と思いました。初任者研修を取って、祖母が入所していたのとは別の特養に正社員として入職。介護の世界に飛び込んだこと自体は後悔していませんが、「きれいごとだけでは続かない」と初月で思い知りました。

1日の仕事内容

早番の場合、朝7時に出勤。夜勤者から申し送りを受けて、すぐに入居者の起床介助に入ります。ベッドから車椅子への移乗、着替え、おむつ交換。担当するフロアには20人の入居者がいて、そのうち半数以上が要介護4〜5の重度の方。自力では起き上がれない方がほとんどなので、二人介助が必要な場面も多いです。

朝食の配膳と食事介助。嚥下機能が低下している方にはペースト食を一口ずつ介助します。食事の後は口腔ケア、トイレ誘導。午前中に入浴介助が入る日は、ストレッチャーで浴室まで移動して機械浴で対応。汗だくになりながら1人30分、午前中に5〜6人を入浴させます。

午後はレクリエーションの時間。体操や歌、塗り絵。その合間にも排泄介助やおむつ交換は続きます。16時の遅番への引き継ぎまで、記録を書きながら入居者の体調変化をチェック。夜勤の日は16時半に出勤して翌朝9時半まで。2時間おきの巡回、ナースコール対応、おむつ交換。仮眠は取れても1〜2時間程度です。

この仕事できつかったこと

身体介助の肉体的な負担が一番きつい。要介護5の入居者を毎日何度も抱え上げて、移乗させて、おむつを替える。腰は入職半年で壊れました。コルセットを巻いて仕事をする日常。先輩からは「腰痛じゃない介護職員はいない」と言われて、半分笑い話、半分絶望でした。

精神的にきつかったのは看取りです。特養は「終の住処」なので、入居者の死と向き合う機会が多い。仲良くなった入居者が亡くなったとき、涙をこらえながら最後のケアをしました。「慣れる」と先輩は言いますが、慣れるべきなのか、慣れてはいけないのか。答えは今もわかりません。

人手不足が慢性的で、一人あたりの業務量が多すぎます。一人の入居者にもっと丁寧に関わりたいのに、時間がない。ナースコールが鳴り続ける中、食事介助をしながらおむつ交換の順番を考え、記録が追いつかない。「流れ作業」になっている自分が嫌で、何度も泣きました。

年収320万円で夜勤ありのこの仕事は、正直見合っていないと感じます。夜勤手当を入れてこの金額。同年代の友人と比べると年収の差は歴然で、結婚や将来のことを考えると不安が募ります。

この仕事で良かったこと

入居者さんの笑顔が最大の救いです。認知症が進んで名前を忘れてしまったおばあちゃんが、私の顔を見ると「あ、来てくれたの」とニコッとしてくれる。言葉は出なくても、手を握り返してくれる。「この人が安心して最期の日々を過ごせるように」と思えることが、この仕事を続けるモチベーションです。

チームワークが強いのも特養の良いところ。きつい仕事だからこそ、スタッフ同士の助け合いが自然に生まれます。夜勤明けに「お疲れさま、今日も無事だったね」と声をかけ合う。仲間がいるから頑張れる、というのは本当です。

介護福祉士の資格を取ってから、仕事に対する自信がつきました。専門知識を持って介護にあたることで、入居者の小さな変化に気づけるようになった。ご家族から「安心してお任せできます」と言ってもらえたときは、プロとしての誇りを感じます。

この仕事を辞めた理由

辞めていません。4年目で、ユニットリーダーを任されるようになりました。後輩の育成や家族対応も担当するようになって、責任は増えましたがやりがいも増えています。将来的にはケアマネジャーの資格を取って、入居者のケアプランを自分で作れるようになりたい。きつい仕事だけど、ここでしかできない経験がある。それは確かです。

この仕事が向いている人

人の役に立つことにやりがいを感じられる人、体力がある人に向いています。精神的にタフで、死と向き合うことを避けない覚悟がある人。チームワークを大切にできる協調性も必須です。逆に、潔癖症の人、体力に自信がない人、感情移入しすぎてしまう人には向いていません。「稼ぎたい」が第一の動機なら、他の業界を選んだ方がいいです。

この仕事に就きたい人へ一言

特養で3年の実務経験を積めば介護福祉士の受験資格を満たせます。資格を取れば月1〜2万円の手当がつくだけでなく、リーダー職や管理職への道が開ける。さらにケアマネジャー(5年以上の実務経験で受験可能)を取得すれば、デスクワーク中心の働き方にシフトできます。

「介護は低賃金」というイメージは変わりつつあります。処遇改善加算の充実で年収が上がっている施設も多い。転職するなら、処遇改善に積極的な法人を選んでください。

よくある質問(FAQ)

Q. 特養の介護職に資格は必要?

A. 初任者研修があれば入職可能。無資格でも採用する施設はありますが、入職後に初任者研修の取得を求められることがほとんどです。介護福祉士を持っていれば、採用と待遇の両面で有利になります。

Q. 特養の介護職の年収は?

A. 初任者研修で280〜330万円、介護福祉士で320〜400万円が相場。夜勤手当(1回5,000〜8,000円)が月4〜5回入るので、それ込みの金額です。主任やユニットリーダーに昇格すると380〜450万円も可能です。

まとめ

特別養護老人ホームの介護職は、重度介護による肉体的負担、看取りという精神的な重さ、人手不足による業務過多がきつい仕事です。しかし、入居者の笑顔やご家族からの感謝に支えられ、チームで助け合いながら「人の最期に寄り添う」という他の仕事では得られない経験があります。キャリアパスとして介護福祉士・ケアマネジャーへの道が明確に用意されている点も見逃せません。

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社畜王の中の人

板前、運送、不動産、Webディレクターなど、複数の業界を渡り歩きながら転職を重ねてきた“現場型キャリア”。未経験分野への転職やキャリアチェンジを実際に経験してきたからこそ分かる、「通用するスキル」「転職で評価されるポイント」「失敗しない選び方」をリアルベースで発信しています。遠回りしてきたからこそ見えてきた、“再現性のある転職の考え方”を共有していきます。

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