人事担当を9年続けて辞めた理由【35歳女性・秋田県秋田市】やりがいを感じられなくなった体験談
人事の仕事は「会社の人材を育てる」「組織を作る」といった華やかなイメージがあるかもしれません。でも実際は、採用活動の繰り返し、給与計算の精密作業、突然の退職対応に追われる日々でした。26歳で人事部に配属されてから9年間、秋田県秋田市の中堅メーカーで人事担当として働きましたが、35歳のときに退職を決意。やりがいを感じられなくなったことが、最大の理由でした。
この記事では、人事担当としての9年間で経験した仕事の実態、きつかったこと、良かったこと、そして辞めた理由を正直にお伝えします。「人事の仕事に興味がある」「人事として働いているけど悩んでいる」という方に、少しでも参考になれば幸いです。
体験者の基本情報
| 年齢 | 35歳 |
|---|---|
| 性別 | 女性 |
| 勤務地 | 秋田県秋田市 |
| 業種 | 製造業(中堅メーカー) |
| 職種 | 人事担当(採用・労務・給与計算) |
| 雇用形態 | 正社員 |
| 勤務期間 | 9年間(26歳〜35歳) |
| 年収 | 約380万円 |
| 退職理由 | やりがいを感じられなくなった |
📝 この記事でわかること
- 人事担当の仕事内容と1日の流れ
- 9年間働いて感じたきつかったこと
- 人事の仕事で良かったこと・やりがい
- 35歳で辞めた本当の理由
- 向いている人の特徴
- 人事担当を目指す人へのアドバイス
人事担当になったきっかけ
もともとは営業事務として入社しました。大学を卒業して地元の中堅メーカーに就職したのが24歳のとき。営業部で受注処理や見積書作成をしていたんですが、2年目の終わりに人事部長から「人事に来てみないか」と声をかけられたんです。
当時の人事部は部長を含めて3人の小さな部署で、新卒採用の担当者が辞めることになり、後任を探していました。「人と話すのが得意そうだから」「細かい作業もできるから人事に向いている」と言われて、正直悪い気はしませんでした。人の役に立てる仕事、会社の未来を作る仕事というイメージに惹かれて、人事部への異動を希望したんです。
26歳で人事部に配属され、最初は新卒採用と中途採用のアシスタント業務からスタート。先輩から仕事を教わりながら、少しずつ採用面接の同席、説明会の運営、内定者フォローなどを任されるようになりました。3年目からは給与計算や社会保険の手続きも担当し、人事のほぼ全領域を経験しました。
人事担当の1日の仕事内容
人事の仕事は時期によって大きく変わります。採用シーズンの春〜夏と、それ以外の時期では業務の内容がまったく違うんです。ここでは、繁忙期と通常期それぞれの1日の流れを紹介します。
【採用シーズン(3月〜8月)の1日】
8:30に出勤して、まずメールチェック。応募者からの質問や、面接の日程調整メールが山のように届いています。午前中は採用関連の事務作業で埋まります。履歴書の整理、面接日程の調整、説明会資料の準備、内定者への連絡。
昼休みを挟んで、午後は面接や説明会の対応。新卒採用の面接は部長や役員と一緒に実施しますが、中途採用の一次面接は私が単独で担当することもありました。応募者の経歴を確認しながら、「なぜ転職したいのか」「うちの会社で何をしたいのか」を聞き出すのが役割です。
面接後は評価シートを作成し、合否の判断材料を上司に提出。夕方からは翌日の準備や、求人媒体の更新作業。退勤は19時〜20時になることが多く、繁忙期は残業が月30〜40時間に達しました。
【通常期(9月〜2月)の1日】
通常期は給与計算と労務管理がメインです。月末から月初にかけては給与計算の繁忙期で、タイムカードのチェック、残業時間の集計、控除項目の確認など、細かい数字とにらめっこ。ミスが許されない作業なので、何度も見直しをします。
午後は社会保険の手続き。入社した社員の資格取得届、退職した社員の喪失届、扶養家族の変更届など、役所への提出書類を作成します。社労士さんとのやり取りも多く、労働時間管理や有給休暇の消化状況をまとめて報告することもありました。
夕方は社員からの相談対応。「結婚するので扶養の手続きを教えてください」「育児休業を取りたいんですが」といった質問に答えたり、制度の説明をしたり。人事は社員の生活に関わる大事な仕事だと実感する瞬間です。
人事担当としてきつかった事
① 採用活動の徒労感
秋田県は人口減少と若者の県外流出が深刻で、採用活動が本当に大変でした。求人を出しても応募が来ない。説明会を開いても参加者がゼロ。何十社も競合がいる中で、知名度のない地方メーカーを選んでもらうのは至難の業です。
やっと内定を出しても、東京や仙台の企業に流れてしまう。何か月もかけて準備した採用活動が、最終的に「内定辞退」の連絡一本で終わる虚しさは、経験した人にしか分からないと思います。採用目標を達成できない年が続き、経営陣からは「人事は何をやっているんだ」と言われ、自分の無力感だけが積み重なっていきました。
② 突然の退職対応と板挟み
社員が突然辞めると、人事がすべての対応を引き受けます。退職届の処理、引き継ぎの調整、離職票の発行、社会保険の喪失手続き。感情的になっている退職者と、「もう少し引き止められなかったのか」と責める上司の間に立つのは、本当に疲れました。
特にパワハラやセクハラ絡みの退職は精神的にきつかった。被害を訴える社員の話を聞きながら、加害者側の管理職を守ろうとする会社の姿勢に矛盾を感じることもありました。「会社の味方なのか、社員の味方なのか」という葛藤が、ずっと心の中にありました。
③ やりがいの喪失
最初の数年は「人の役に立っている」「会社を支えている」という実感がありました。でも、同じ作業の繰り返しに慣れてくると、その感覚が薄れていったんです。給与計算は毎月同じ。採用活動は毎年同じ。労務手続きはマニュアル通り。
「この仕事、私じゃなくてもできるんじゃないか」と思い始めたのが、30歳を過ぎた頃でした。人事のキャリアを積んでも、劇的に給料が上がるわけでもない。専門性を磨いても、評価されている実感がない。このまま続けて何が残るんだろうという不安が、日に日に大きくなっていきました。
人事担当として良かった事
① 社員の人生の節目に関われる
人事の仕事で一番やりがいを感じたのは、社員の人生の大事な場面に関われることでした。結婚の報告を受けたとき、出産で育児休業を取る手続きをしたとき、「ありがとうございます、助かりました」と言われる瞬間は、この仕事をやっていて良かったと思えました。
新卒で入社した社員が、数年後に頼もしく成長している姿を見るのも嬉しかった。「あのとき採用してくれてありがとうございました」と言われた日は、採用の苦労が報われた気がしました。
② 幅広い知識が身についた
人事の仕事は労働法、社会保険、税務、採用手法など、学ぶべき分野が多岐にわたります。資格の勉強もしながら働いたおかげで、社会保険労務士の資格を取得できました。この知識は転職活動でも大きな武器になりました。
③ 会社全体を見渡せる立場
人事は全部署の社員と関わるので、会社の全体像が見える立場です。営業部の課題、製造部の人員不足、管理部門の雰囲気。各部署の状況を俯瞰できるのは、人事ならではの特権だと思います。経営に近い視点で物事を考える力は、この9年間で確実に身につきました。
人事担当を辞めた理由
35歳のとき、退職を決意しました。理由は一つではありませんが、一番大きかったのは「やりがいを感じられなくなった」ことです。
30代半ばになって、このまま同じ会社で人事を続けても、自分の市場価値が上がる気がしませんでした。給与も年功序列でじわじわ上がる程度。人事部長になるには、あと10年以上かかる。それまで待てるほど、私には情熱が残っていませんでした。
社労士の資格を活かして、もっと専門的な仕事がしたい。複数の企業を支援するコンサル的な働き方に興味がある。そう思い始めたとき、転職エージェントに登録して、社労士事務所や人事コンサルの求人を探しました。
退職後は、県内の社労士事務所に転職。企業の労務相談や就業規則の作成をサポートする仕事に就きました。年収は前職とほぼ同じですが、複数のクライアント企業と関われることで、視野が広がり、仕事に対するモチベーションが戻ってきました。
人事担当に向いている人
- 細かい作業が苦にならない人 — 給与計算や社会保険の手続きは、正確性が命です。数字やルールが好きな人に向いています。
- 人の話を聞くのが得意な人 — 社員の相談を受けたり、面接で応募者の本音を引き出したりする場面が多いです。
- 法律や制度を学ぶのが好きな人 — 労働基準法、社会保険、税務など、覚えることが多い仕事です。勉強を続けられる人は成長できます。
- 板挟みに耐えられる人 — 経営陣と社員の間に立つことが多く、精神的なタフさが求められます。
逆に、「人の役に立ちたい」という漠然とした理由だけで人事を目指すと、ギャップに苦しむかもしれません。地味な事務作業が大半を占める仕事だということを、理解しておいてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 人事担当になるのに資格は必要?
A. 必須ではありませんが、社会保険労務士やキャリアコンサルタントの資格があると有利です。実務経験を積みながら資格を取る人が多いです。
Q2. 人事の仕事は未経験でも就ける?
A. 中途採用では、営業事務や総務の経験者が人事に転職するケースが多いです。完全未経験でも、小規模企業なら採用されることはあります。
Q3. 人事担当の年収はどれくらい?
A. 地方の中小企業で300〜400万円、都市部の大手企業で400〜600万円が相場です。管理職になると600万円以上も可能です。
Q4. 人事の仕事で一番大変なことは?
A. 突然の退職対応と、採用活動の苦労です。特に地方では人材不足が深刻で、採用目標を達成するのが非常に難しいです。
Q5. 人事からのキャリアアップは?
A. 社労士事務所、人材紹介会社、人事コンサル、企業の人事部長などが代表的なキャリアパスです。専門性を高めれば、独立開業も可能です。
人事担当を目指す人へのアドバイス
人事の仕事は、華やかなイメージと実際のギャップが大きい職種です。でも、会社の土台を支える重要な仕事であることは間違いありません。
もしあなたが人事に興味を持っているなら、まずは小規模な企業で幅広く経験を積むことをお勧めします。採用、労務、給与計算をすべて経験できる環境なら、人事のプロとしての基礎が身につきます。
資格は後からでも取れますが、実務経験は何よりも価値があるです。最初の3年間で人事の全体像をつかみ、その後は自分の興味のある分野(採用、労務、人材開発など)を深掘りしていくのが理想的なキャリアだと思います。
そして、もし今の職場でやりがいを失いかけているなら、転職を視野に入れることも大切です。私のように、環境を変えることで新しいモチベーションが見つかることもあります。
編集部より
人事の経験は、社労士事務所、人材紹介会社、企業の人事マネージャーなど、幅広い分野で評価される専門スキルです。特に労務や採用の実務経験は、転職市場でも高く評価される傾向にあります。
今回の体験談のように、環境を変えることで新たなやりがいを見出せるケースもあります。現在の職場で迷いを感じている方は、キャリアの選択肢を広げてみることも一つの方法です。
人事としての経験とスキルを活かし、より自分に合った働き方を見つけていく。それもまた、キャリア形成の大切なステップと言えるでしょう。
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