今回は【冬の氷】様からの提供で、食品製造の社畜体験談をご紹介します。
雇用形態 | 正社員 |
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勤務地 |
栃木県某所
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勤務時間 |
8:00〜22:00
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休日 |
日曜日
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給料 |
17万
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必要資格 |
なし
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業種 |
製造
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主な業務内容 |
食品製造
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この仕事を始めたきっかけ
高校卒業して特にやりたいことも無かった時に募集記事を見て。元々料理等に興味もあり経験してみたいと思ったことも理由です。
1日の仕事内容
厚焼き玉子を製造している会社で自分の担当部署は製造です。
仕込み担当の部署で作られた液状の卵を鉄鍋で焼き、高さ5cm、縦10cm、横30cmのサイズで焼き上げます。
出社後、まず火を入れ40列ある鍋を温めます。適正温度になったら液状の卵を流しいれ焼き始めます。1つの鍋で3個の卵焼きができ、その鍋が40個なので1周で120個の卵焼きが出来上がります。
1つの鍋が1周回るのに10分かかりますが40個の鍋があるので取り出し口には15秒毎に3個ずつ焼きあがった卵焼きが出てきます。 しかし焼きあがった製品は鍋についたコゲごみ等が付いて商品として売りに出せないので、取り出し口の担当の人間はそれら全てを15秒の間に3つの卵焼きから取り除きます。この時に卵の焼きあがり具合も確認し、生焼けや焼き上がりの色合い、形の良し悪し等の不備が無いかも確認します。
1度焼き始めたら終日火を落とさず焼き続け、全て焼き上げたら鍋をはじめ焼き上げに使用した部品全てを取り外し念入りに掃除をします。
2時間ほどをかけ部屋も隅々まで綺麗にして1日が終わります。
この仕事できつかった事
実際に火を扱うので室内はとても暑くなります。
食品を扱うので当然窓も閉切り、作業着も髪や服に付いたごみ等が落ちないように目だけが出ている作業着に身を包んでいるのでさらに暑くなります。
室内は冬でも50度になり、夏場では常に終日50度を振り切っています。
しかし、焦げ付かないように途中で卵をかき混ぜたり形成するために体を鍋の上に乗り出して作業しているので火に体が炙られ、卵の水分が蒸発した熱い湯気も体全体に浴びているため体感温度は50度よりも遥かに高いものとなります。
実際に炙られたことで作業着が焦げるほどで、体調不良を訴える従業員が後を絶たない状態でもありました。
休日が日曜日だけしかなく仕事も毎日のように0時近くまでとなるので体の回復がおいつかず、1年通して常に体は重く頭にモヤがかかったような状態の中での生活を余儀なくされた事です。
この仕事をして良かった事
厚焼き玉子を好きなだけ持ち帰れるところでした。
1日に数千個という数を焼き上げるためどうしてもかなりの数の不良品が出てしまいます。
生焼けなどは流石に廃棄するしかないのですが、重量不足や形成不良などは商品としては使えなくも食品としては問題ないので各自自由に持ち帰ることが出来ます。
有名チェーン店などにも使われている事もあり味は悪くない商品なので自分の家で食べたり、数が多いので知り合いなどにお裾分けしたりしていました。
卵焼きだけでなく期限が切れそうになったり、卵の状態により焼いた時に鍋に張り付いて製品として満足なクオリティが期待できない生卵等も大量に持ち帰ることも出来ます。こちらも製品としての価値が薄いだけであり食品としては問題なく、卵は色々な料理に使えるので家計も助かっていました。
調理自体の知識に関しても得る物があり、日常に活かせる事が出来るのも有難かったです。
この仕事を辞めた理由
やはり暑さでした。
5年ほど働いていましたが負担が徐々に蓄積され、体はぼろぼろの状態でした。
世に出す製品、ましてや人の口に入る物なので、少しの不備が健康に関わってしまうので常に集中した状態で仕事をしており、消耗は更に大きくなります。
また、この会社自体もいわゆる「ブラック会社」であり社員への配慮も0だったことも大きな原因のひとつでした。
休憩時間も日に2回、残業が何時間だろうと2回の休憩しか取れません。
その残業も定時前で仕事が終わるような日があった場合、定時に満たない分をその月の残業時間から差し引かれます。
結果的には会社にいいように調整され、月の残業代はほぼ0でした。
ちなみに、定時に満たずに仕事が終わるとタイムカードもその時点で押すのですが、上司からは他の部署への手伝いを命令されます。
仕事はあくまでも自分の部署での事であり、他の部署では「自主的な手伝い」とされ賃金は出ないとのことでした。
休日も日曜日しかなく、土曜日や祝日は当たり前のように出勤です。
もちろん休日手当て等あるはずもなく常に平日扱いでした。
唯一の休日の日曜日すら仕事に駆り出される事も少なくなく、その場合は更に酷く、何時間働いても2000円しか支給されませんでした。
この仕事に向いている人
食品会社等は何よりも清潔が第一です。
一般的に潔癖といわれるような事がごく当たり前の世界での作業になります。
常に身の回りに気を配り清潔に保つ生活をしている方にはぴったりの仕事だと思います。
製品自体にも付着物の有無やミリ単位での形成、表面の焼き上がりの状態を見て内部の焼け具合を判断し生焼けかどうかの見極め等、細心の注意も必要となるので高い集中力を長時間維持できるような方でなければ勤まらない仕事であると思います。
調理、掃除がメインとなるので家事をそつなくこなせる方は活躍できる場です。
とはいえ作業時の暑さは最大のネックであり、暑さに耐性が無い方は1日ともたない過酷な現場でもあります。
最後に、単純に暑さに対し耐えることができる体の方や体の状態を細かく把握できて小さな不調にもいち早く気付ける方が何よりの条件です。というかそうでないととても続けることが出来ない仕事なので、こういった職場に関心がある方は注意してください。
この仕事に就きたい人へ一言
何よりも人のために全てを注ぐ仕事です。
大変ですが自分が携わった商品が人の手に渡り喜んでもらえるやり甲斐のある仕事なので、自信を持って頑張ってください。